青年誌を中心にシュール系ギャグ漫画を輩出する原克玄と、人間の心の襞を繊細かつ切実に、ヒリつく表現で描き出すゴトウユキコがタッグを組んで描く、人間の持つ恐怖症(フォビア)をテーマにした連作短編集。各短編のテーマは隙間、匂い、高所、集合体、閉所。子供の頃に側溝の隙間の死体と目が合ってから隙間が強烈なトラウマとなった女性をめぐる物語「隙間」や、付き合いたての彼氏が放った何気ない一言から強迫観念に囚われ、徹底的に体臭の排除を突き詰めていく先にある恐怖を描いた「匂い」。田舎から上京してきた女子大学生が、東京での性体験を引き金に、東京の人混みやビルの黒い影が虫の集まりに見えはじめ最後には自分が虫になってしまう「集合体」など生々しい恐さを描いている。