くだらない彼氏が「ビッチ先輩」に寝取られた理由は、「なんかノリで」。おいおいおい、バカじゃねーの。ノリでヤっちゃうバカとつきあってた自分も、何もかもがバカバカしい、息苦しい田舎町。どうしようもない閉塞感への反発と諦めの間で生きる「ビッチ先輩」と主人公を描く表題作。他、閉塞した我々の日常にくさびを打ち込む短編6作を収録する、高野雀の初単行本。表面上は陰影のなく平板な登場人物の表情、それと対照的に鮮やかな陰影で物語を彩るトーン、余白が饒舌な画面構成、地の文と台詞の使い分けと滑らかな接続、効果的な登場人物と舞台の構成。コミティア漫画的技巧を過不足なく使いこなして、叙情性あふれる物語を描く高野雀。「コミティアが生んだ才能」のレッテルの下で腐らないでほしい。