青春なんていうものはほとんどの人にとっては、安っぽいドラマでみるような人生の“春”を描いたものなんかじゃない。むしろ少年という“夏”を終えてこれからの大人という“冬”を迎えるまでの“秋”が青春だろう。この作品が描くのはそういうどこか灰色がかった、例えるなら“放課後の夕日がさしこんでいる誰もいなくなった教室”のような、そんな学生たちの青春。彼らは自分が急速に変わってゆくのに、世界は全く変わることなく在りつづけることに無力感とほんのひとつまみの安心感を覚え、ときには鬱屈した日常に刺激をもたらす何かを求めて彷徨う。どこかやるせないのに、そのアンニュイさに懐かしさを感じてしまう青春がオムニバス形式で描かれている。