父の背中を追うように、何となく選んだ調律の道。そんな日々に手応えの無さを感じていた見習い調律師・新(あらた)は、実家で調律の手伝いをしていたある日、世界的ピアニストの娘・響子(きょうこ)と出会う。彼女は弱視を患い、他人を拒むかのように生きていた。異なる音色を持つ新と響子。不器用ながらもピアノを通じて交流を重ねる二人は、ひとりでに生まれた、けれど決して一人では得られなかった感情に気づくこととなる。表題作「夏・ユートピアノ」他、2021年春季四季大賞に輝いた「あさがくる」も収録。
ほそやゆきの
| 雑誌名 | 雑誌掲載情報 | 出版社 |
|---|---|---|
| コミックDAYS | 講談社 |
父の背中を追うように、何となく選んだ調律の道。そんな日々に手応えの無さを感じていた見習い調律師・新(あらた)は、実家で調律の手伝いをしていたある日、世界的ピアニストの娘・響子(きょうこ)と出会う。彼女は弱視を患い、他人を拒むかのように生きていた。異なる音色を持つ新と響子。不器用ながらもピアノを通じて交流を重ねる二人は、ひとりでに生まれた、けれど決して一人では得られなかった感情に気づくこととなる。表題作「夏・ユートピアノ」他、2021年春季四季大賞に輝いた「あさがくる」も収録。
人と仲良くなることの難しさを描いた傑作。今年の漫画の中では人間関係の機微をもっとも繊細に描けていると感じた。
出来事と心情が非連続的に羅列しているだけで、この作品には物語がない。それがむしろ、キャラクターの心に直で触れているような安心感を生んでいる。
人生、うまくいかないね。
実家にあるアップライトピアノはもう何年も調律してもらっていない。いつも調律してくれた人は今も仕事をしているのだろうか。
調律師で思い出すのはフェルミ推定の例題で有名なシカゴにピアノ調律師は何人いるかという問題。
「良さの言語化のしづらさ」なら今年の漫画でもトップなように思う。良くも悪くも。
ピアノの話が読みづらいのと分かりづらいので途中で挫折しちゃった
「講義室に辿り着けず中退」って字面が面白すぎて
笑いごとじゃないけど不覚にも笑ってしまった
俺は「ユートピアノ」の方が好きなので、「朝が来る」のほうが評価高いのを意外に感じた。読みにくさそのものを楽しめる作品だと思う。「朝が来る」のほうは真っすぐで読みやすいし、人付き合いのもどかしさが描かれている。しかし、「ユートピアノ」の「ピアノを調律する/してもらう」のを、ピアノを媒質にした機微の描き方は新鮮だし変化していることをわからせる技術力があるからより高く評価したい
えっ、「夏・ユートピアノ」のほうが評価されてた印象なんだけど。
座談会では「夏・ユートピアノ」のよさを言語化しづらいし読みにくいから、「朝が来る」のほうが先鋭されているように感じられたみたいな扱いじゃなかったかな
少なくともワイは「言語化しづらい/読みにくい」を悪い意味では使わなかったな。「(言語化しづらい/読みにくいから、)この漫画の真価に気付くのは難しいし、ランキングに入れづらいし、入れても上位にしづらい」という意図でした。
コマとコマとの間の描写の飛び方や、場面(現実だけでなく心象風景も含む)の切り替え方にはかなり特有のものがあり、そのせいで実際かなり読みづらい部分もあるのだが、そんな描き方でないと表現できない何かを表現しようとしてるのは伝わってくる。ランキング登録までに受け止められなくてすまねぇ。
もう1回ゆっくり読んでみるかぁ……
「あさがくる」→「夏・ユートピアノ」の順番を知らず、後者のみを読んでいたら、表現が未熟だと切り捨ててしまっていたかもしれない。
すげぇ上からな物言いをするなら、「あさがくる」はわかりやすくいい話で、「夏・ユートピアノ」はわかりにくいがめちゃくちゃ光る話で、後者の方を高く評価したいと思わされた
「夏・ユートピアノ」が読みづらいのは全く別の物語を持つ主人公二人の視点を並行して描くせいで感情移入しづらいせいなんだと思う。短編集とか読むとある短編のサブキャラに前の短編の主人公出てきたりすることあるけど、この漫画はその短編同士を無理やり入れ子にして構成した感じ。
俺は「大きく人生が変わるわけではないが、微かな駆動力にはなる一時の交流」というものを捉えたことについてこの作者を評価しているので、「あさがくる」も「夏・ユートピアノ」も同質の魅力だと思っている。裏を返せば、「夏・ユートピアノ」の構成に可読性の損失以上のペイがあるともあまり思っていない。
「読みづらい」と言われているけど、何が描かれているかを読み取ることの難しさと、どういう出来事が起こっているかを読み取ることの難しさとをいちおう明示的に分けたほうがいいと思う。両者は関係してもいるだろうけど。そのうえで自分は、前者については難しいけど後者についてはそこまでではないと感じたかな。
父の背中を追うように、何となく選んだ調律の道。そんな日々に手応えの無さを感じていた見習い調律師・新(あらた)は、実家で調律の手伝いをしていたある日、世界的ピアニストの娘・響子(きょうこ)と出会う。彼女は弱視を患い、他人を拒むかのように生きていた。異なる音色を持つ新と響子。不器用ながらもピアノを通じて交流を重ねる二人は、ひとりでに生まれた、けれど決して一人では得られなかった感情に気づくこととなる。表題作「夏・ユートピアノ」他、2021年春季四季大賞に輝いた「あさがくる」も収録。